他クラブには無い
セレッソ大阪の強みとは?

 本連載は、セレッソ大阪のことを一人でも多くの方に知って頂き、クラブと共に夢を目指す“セレッソファミリー”としてお迎えしたいとの想いのもと、これまでの活動事例を交えながら、我々が考えるクラブとスポンサー様との理想のあり方について、全6回のシリーズ形式にてお届けいたします。

 第4回は、「他クラブには無いセレッソ大阪の強みとは?」についてご紹介いたします。

大阪を代表する文化へ

 セレッソ大阪の強みの1つ目は大阪市と堺市という全国有数の大規模都市をホームタウンとしていることです。両市はそれぞれ276万人、83万人の人口を抱えており、Jクラブのホームタウンの中でも、東京、横浜に次ぐ3番目に大きな規模となっています。大阪市は、今後の地域経済成長戦略において、「スポーツ関連施策による都市魅力の向上」を重要な取組の一つとして挙げるなど、スポーツを通じた地域振興にも非常に積極的です。セレッソ大阪が行っている地域貢献活動(“ホームタウン活動”)に対しても、行政機関から多大なサポートを頂いており、近年は、SDGsに関する取組として、セレッソ大阪はスポンサー様と連携し、子供たちへの教育支援などの活動を実施しています。

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(大阪市と連携し子どもたちへの読書推進プロジェクトを実施)

 また、2021年4月に竣工したホームスタジアムの“ヨドコウ桜スタジアム”は。スポーツ庁が主導する「スタジアム・アリーナ改革」において、全国で11カ所しかない「多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ」の一つに選定されています。今後は、スタジアムが所在する長居公園とも連携し、最寄り駅から徒歩5分といった地の利を活かしながら、様々な地域貢献活動に取り組んでいきたいと考えています。

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(2021年4月に竣工したヨドコウ桜スタジアム)

 セレッソ大阪では、2021年7月に、吉本興業株式会社(以下、吉本興業)様とエンタメパートナーシップ契約を締結致しました。本提携は、吉本興業が、セレッソ大阪の「最高にワクワクするエンターテインメントを提供するクラブになる」というビジョンに共感し実現に至ったものです。
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(吉本興業株式会社とエンタメパートナーシップ契約を締結)

 吉本興業は大阪を代表する企業の一つであり、地方創生・地域活性化を目的とした文化庁の「文化プログラム」に参画するなど、エンターテインメントの力で大阪を盛り上げる様々な活動に取り組まれています。吉本興業との連携を通じて、ファン・サポーターをはじめとする地域の皆様により身近に感じて頂き、「大阪といえばセレッソ!」と言われるようなクラブを目指していきたいと思います。

サッカーとビジネス双方で世界を目指すクラブへ

 セレッソ大阪の強みの2つ目は海外との強いネットワークです。クラブのビジョンの中で「アジア、そして世界に咲き誇るクラブになる」と掲げているように、クラブ創設以降、香川真司(現・PAOKテッサロニ 写真右)や南野拓実(現・リヴァプール 写真左)といった世界で活躍する選手の輩出に加え、海外クラブとの提携や社会貢献活動などの事業面においても、積極的に海外との繋がりを構築してきました。

 具体的な取組としてご紹介するのは、タイのプロサッカークラブであるBGパトゥン・ユナイテッド(以下、BG)との提携です。今でこそ海外クラブとの提携は珍しくないですが、セレッソ大阪では他クラブに先駆けて、2012年に本提携を締結しました。BGとは、育成世代の指導ノウハウ提供などを通じ関係を深めてきた他、現在ではリーグ開幕前にセレッソ大阪がタイでキャンプやトレーニングマッチを行うなど、トップチーム同士の交流も行われています。

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(2019年1月にBGとの親善試合を開催)

 また、BGとの提携は、セレッソ大阪のトップパートナーであるヤンマーホールディングス株式会社(以下、ヤンマー)様の海外ビジネス拡大にも貢献しています。以前より、ヤンマーはタイの地方都市でサッカー教室を運営していましたが、セレッソ大阪がBGとの引き合わせをアレンジし、サッカー教室の生徒がBG下部組織へ加入する仕組みを構築するなど、両者の連携を進めることができました。この取組は、地方都市の子供たちへの教育支援に資するものとして、タイの農協をはじめとする地元の公的機関から高い評価を受け、結果的にヤンマーのタイにおけるブランドイメージ向上および事業発展に大きく寄与しました。

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(ヤンマーがタイの地元の農協と共催してサッカー教室を開催)

 次にご紹介する取組は、2018年からタイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマーで取り組んでいる「ASEAN DREAM PROJECT」です。この活動は、サッカーが最も人気のあるスポーツとされるアジアにおいて、セレッソ大阪の特徴である“育成”を軸に、異国のサッカーや文化を肌で感じてもらい、未来へ繋がる経験を提供することを目的とし、各国から選抜した育成世代の選手を日本に招待するというものです。

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(サッカーを通して様々な経験を培うことを目的としたASEAN DREAM PROJECT)

 この活動には、ヤクルトマレーシア(株式会社ヤクルト本社様の現地法人)様にご賛同頂き、セレッソ大阪のASEANアクティベーションパートナーとしてご支援を頂いています。従来、ヤクルトマレーシアでは、宗教上の食習慣の違いなどから思うように現地での認知や信頼が十分に得られていなかったものの、セレッソ大阪を活用頂くことで、企業の認知度向上や人材採用力強化に繋がり、売上拡大を実現することができました。

100万人を超えるセレッソファミリーの輪

 セレッソ大阪の強みの3つ目はファン・サポーターの強いエンゲージメントです。現在、セレッソ大阪では約1.3万人のファンクラブ会員数を有し、また、クラブチームの人気を示すバロメーターであるSNSフォロワー数は約129万人(21年5月現在)を誇り、全Jクラブの中でトップとなっています。

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 また、Facebookについては、日本語に加え、英語、タイ語、インドネシア語、ベトナム語、ミャンマー語のアカウントを開設しており、フォロワー数の92%(21年5月現在)は海外のファンが占めています。特にベトナムについては、2021年の同国GKダン・バン・ラム選手の加入により、フォロー数が急増しました。ダン・バン・ラム選手は、ベトナムで最も人気のあるサッカー選手であり、セレッソ大阪でのデビュー戦となった試合のYouTube視聴者数は約34万人に上りました。また、2021年1月~6月の半年の間に、グローバルで昨年同期の14倍にあたる10,000件超の『セレッソ大阪』に関するWeb記事が発出され、そのうち約8割がベトナムでの露出を占めるなど、現地におけるセレッソ大阪の認知度向上に貢献しています。

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(セレッソ大阪でデビューを飾るダン・バン・ラム選手)

 SNSフォロワー数以外では、ファン・サポーターのクラブのスポンサー様に対する愛着が深いのも特徴の一つです。例えば、クラブHPで新規スポンサー契約を発表すると、直後から「〇〇社さん、ご支援ありがとうございます!」、「ようこそ!セレッソファミリーへ!」といったコメントがSNSで自然と拡散される他、スポンサー様の商品やサービスを使っているというSNSでの投稿も多く見られ、宣伝活動に貢献しています。実際に、2020年に行ったアンケートでは、「価格と品質が同じであれば他社よりもスポンサー企業の商品を選ぶ」といった回答が多く見られ、ファン・サポーターのスポンサー様に対する愛着の深さが、この数字からも見て取れます。

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 以上、様々な視点からセレッソ大阪の強みをご紹介いたしましたが、一言で表すと、「セレッソファミリーの結束力」が最も大きな強みです。国内外のファン・サポーター、スポンサー様、行政機関など、セレッソ大阪に関わる全ての方が、ファミリーの一員として互いに支え合いながら前に進んでいくこと、それはクラブが持続的に発展していくために大切なことであると考えています。

※第5回は、実際のスポンサー企業様にご登場頂き、セレッソ大阪と提携に至った経緯や共に成し遂げたい夢について語って頂きます。